ついに死人が…?の衝撃展開 「波よ聞いてくれ」3巻 感想
11月22日発売の「波よ聞いてくれ」3巻感想。
「無限の住人」の沙村広明先生が描く無軌道ラジオマンガの第3巻。
ひとことで説明するのが難しいマンガだけど、あいかわらずめちゃくちゃ面白い。
圧巻の第1話なので未読の方はぜひに。疾走感がすごい。
光雄の埋葬と決別?
第2巻から引き続き、光雄を埋葬するラジオドラマ。
光雄が蘇ったり地中の神に会ったりとわけわからん超展開なのに気にならないのは、基本会話劇だからかな。ミナレのキレッキレな喋りが聴ければそれでいいという。浅間大神を茅代さんが生で演じてたって知ってから読み返すとさらに面白かった。
ラストのミナレの台詞は痛快。しょっちゅうラジオで「殺す」っつってるなこの人。
気になったのは麻藤さんの過去シーン。
空港で見送っているのはミナレに似ているというシセル光明さんかな。
麻藤さんがミナレを手元に置いておきたいって言うのはやっぱりこの人と重ねているからなんだろうか。物語の核心に近そうな部分。
3巻は恋愛要素が薄かったけど、元カレと決別したミナレが次に恋に落ちるのはやっぱり麻藤さんなんだろうか。中原くんよりはしっくりくる。というか果たしてこれって恋愛マンガなんだろうか。
怒涛の衝撃展開
階下の住人の部屋から漏れる死臭と、番組宛に届いたオカルティックなFAX。
そしてミナレと巫女瑞穂ちゃんは事件に巻き込まれる…ってなんだこの展開は。「今度こそ人の死なない漫画」って言ってなかったか沙村先生。
途中からまたラジオドラマになってる?あるいは誰かの夢オチ?とか疑ってしまった。思わぬ結末だったけど、あとで思えば伏線はあったのか。
ぶっ飛んだ登場人物の多い中、瑞穂ちゃんの存在にかなり癒される。
読者の視点って瑞穂ちゃんに近いんだろうな。ハラハラしながらも、ミナレの生き様から目が離せないっていう。この2人の距離感好き。
瑞穂ちゃんがラジオ業界に入るキッカケになった話も描かれる。久連子さんとはそういう関わりがあったのか。
高校時代の瑞穂ちゃんが可愛すぎるのが今巻イチの見どころ。
気になるヒキ
先輩パーソナリティの茅代さんがミナレに接触し、話している途中で3巻は終わり。
これはなんだろう。茅代さんが被っている不利益をミナレは逃れている?うーんわからん。はやく次巻をくれ。
単なる説教って感じじゃないよなあ。ミナレのラジオが凡庸になりかけてるから煽ってるんだろうか。
みんな忘れかけていたボイジャーの店長・宝田さんが帰還し、事故を起こした城華・兄もついに登場する。兄は城華さんを連れ帰ろうとするし、お店もこれまで通りというわけにはいかなそうだ。
城華・兄と茅代さんは「波よ」の2大ラスボス感あるキャラ。
こうして感想書いてみると密度の濃いマンガだなホント。
次巻もクソ楽しみ。