心を改めるのって簡単じゃない 「ヴィンランド・サガ」18巻 感想
8月23日発売の「ヴィンランド・サガ」18巻感想です。
前巻はトルフィンが過去の過ちと向き合わざるを得なくなる話。
昔のトルフィンのように、復讐心にとらわれたヒルドを説得しどうにか一段落したところ。
で、この18巻の不穏な表紙。
またまた何か争いに巻き込まれそうな予感です。
以下ネタバレを含みます
面倒な旅路だけど
交易のために立ち寄ったイェリングで、トルケルやフローキなど昔の知り合いに遭遇してしまうトルフィン。
トールズとヘルガの子というその血筋から、ヨーム戦士団の跡目争いに巻き込まれる。
そういえばいいトコの子だったな。
花嫁を奪って亭主に追われたり、過去の罪から命を狙われたり、今度は血縁から厄介事に巻き込まれたり。
平和の国を作るという使命があるのに、トルケルもフローキも実に鬱陶しい。
ぼくもトルフィンよろしく絶叫しそうになった。
もう心を入れ替えたんだから放っといて、ってのはやっぱり勝手な言い分なんだろうか。
トルケルってこんなやつだったかな?
よくまだクヌートの下で大人しくしてるなというか(大人しくはない)。
いい加減クヌート相手に戦争してるかと思った。
退屈だからトルフィンを巻き込もうとしたんだろうけど。
ヴィンランド(というかまずはギリシア)までまだまだ遠いのに、こんなことしてていいんか?と最初は思ったけど、ファンとしてはトルフィンの旅路が長くなった方がいいや。過去を清算する旅でもあるんだろうし。
最初は畑を耕してるだけだった奴隷編でもくそ面白くなるんだから大丈夫。
天才幸村誠を信じろ。
やっぱりバトルがあると面白い
トルフィンには暴力の連鎖を抜けだしてほしいと思っているのに、やっぱり読者としてはトルフィンが戦っている方が面白い。どうしたもんかな。
トルフィンが久々に構えた時ワクワクしてしまったもんね。
戦い方がトールズに似てきたなあ。
誰も死んでなかったやつ。愛のある戦い方。
だから首飾りを渡そうとした子供を母親が止めるシーンは、
「本質が見えているのは子供の方じゃないの?」と思った。
願望かなこれは。トルフィン贔屓がすぎるか。
戦ってる時の人相は戦士時代に近かったもんね。
トルフィンの選択は
平穏を得るために再び暴力の輪に身を投じるのか、というまさに父トールズと同じ状況に。果たしてトルフィンの選択は。
というところで次巻につづく。相変わらず面白すぎる。
1~2巻あたりを読み返したくなります。
フローキがトールズ殺しを命じたってことを、今後トルフィンが知ることになるんだろうか。
復讐、ってことにはならんと思うけど、個人的にはフローキはぶっ飛ばしてほしい。
どうも中途半端な悪役というか、小物というか。
こんなやつのせいでトールズは死んだんか、っていう悔しさがある。
フローキ倒してじゃあねバイバイ、ってわけにはいかないだろうけど、どう切り抜けるんだろうか。
あとグズリがどんどん可愛くなってる。侮れない。
次巻も楽しみ。