世界遺産になった廃墟の島「軍艦島」に上陸してきた
7月の終わりに、以前から興味のあった軍艦島に行くことができました。
島の歴史も含めて、その圧倒的なスケールに驚かされました。
軍艦島とは
正式名称は「端島(はしま)」。
長崎半島から4.5kmの沖合に位置する、周囲1.2kmの小さな島。
高層鉄筋アパートが立ち並ぶ外観が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれるようになったそうです。
岩礁の周りを6回にわたって埋め立て、現在の島の形に。
海底炭鉱の島として栄え、最盛期には5300人もの人が住んでいました。
しかし、1974年の閉山後は無人島に。
軍艦島への行き方
軍艦島へは現在、数社が催行している軍艦島ツアーでしか行くことができません。
現在ツアーを行っている主な会社は以下の4社。
(各社とも午前・午後の2便運行)
悪天候などで年間100日ほど上陸できない日があるという軍艦島ですが、
ここの船は構造に特徴があり、出航率、上陸率がダントツに高いらしい。
軍艦島へ上陸
軍艦島までは長崎港から船で30分ほど。
船内では軍艦島についてのビデオを流してくれて、あっという間に島が見えてきました。
これは軍艦ですわ。
最も軍艦に似て見えるという位置で船が止まってくれて写真タイム。
上陸する前に船は島の周りをぐるりと一周してくれます。
ついに上陸。
ガイドさんの解説を聞きながら進んでゆく。
柵に囲まれた見学通路・見学広場以外には立ち入ることができない。
崩壊した建物と瓦礫のみの風景が広がる。
真っ白な灯台は、無人島になった後に建てられたもの。
台風の時にはこの灯台よりも高い波が襲うんだとか。想像つかない。
地下の坑道への入口。
作業員の方はここから毎日、地下1000m以上ある坑道へ降りていったそうです。
日本初の鉄筋コンクリート造アパート、30号棟。
現在の補修技術では、もはや保存することが不可能だとか。
小学校や映画館、パチンコ屋、遊郭など、島内に無いものは無いとまで言われていたそうです。
でも、ほんの40年前まで多くの人が生活していたとは思えない。
もっと遥か昔の遺跡かなんか見てるみたいな感覚。
「生命」が感じられない。
ガイドさんの解説も終わり、来た道を戻る。
本当にあっという間だった。
島にいた時間は1時間ほど。ただただ圧倒されているうちに終わってしまった。
ガイドさんが言うには、島では毎日どこかから崩壊の音が聞こえるんだとか。
今日の軍艦島の姿を目に焼き付けながら帰ることにします。
注意したい点
月によって上陸率に大きな差が
台風シーズンは上陸率が大きく下がるようで、夏は50%を切るそうです。
2月と9月は9割上陸できているようなので、確実に上陸したい方はその時期がおすすめ。
船には早く並んで良い席を
並んだ順に窓側の席へ案内されるため、船から写真を撮りたい方は注意。
2階席なら窓も無くて最高。
酔いやすい人は体調を万全に
比較的波が穏やかな日でしたが、結構船が揺れました。
酔いやすい人は船が大きいツアーを選んだ方がいいかも。
あとがき
「廃墟の写真撮るゾー」 ぐらいの気持ちで行った軍艦島でしたが、色々なことを考えさせられる不思議な空間でした。
壊れて、自然に還っていく過程にある島なんだなと、はっきりと感じられました。
ただの岩礁だったところを、石炭が掘れるからって埋め立てて島にして、エネルギー資源が移行したら放棄する。
で今度は観光資源にしてしまう。
人間ってスゴイ。小学生の作文みたいな締め方。